在りし日の唄♪

tatsu06012017-01-03

俺の父、吹上孝司は石川県の珠洲市に生を受けた
六人兄弟のしたから二番目の長男
祖父を9才で亡くした

容易に祖母や叔母達の苦労と父の長男としての重圧は想像しうる

中卒の父は若くして叔父が営む工務店に奉公する

埼玉の鳩ヶ谷

この辺りの経緯は詳しくは知らないが

吹上兄弟は苦難を強いられていたと思う

特に女系は


叔母達は家庭という所謂円満な形をとってはいない

形をもうけた叔母もいるが

離婚ないし死別している

しかし子宝には恵まれ正月あうと皆よく笑う

早くに死んだ祖父長司の話しでもりあがる

栃木県小山市吹上工業での話し






赤荻しげ子は栃木県延島で生を受ける

七人兄弟の下から3番目

こちらは対象的に第一子が長男、次男坊は第七子

幼少気に姉を川で亡くしている

経緯はわからぬが二人は三軒茶屋で出逢い
恋に落ち結婚する

親父はお袋の実家に近い栃木県の小山市にて古材屋として独立する

ほどなくして俺が小山で生を受けるのだが、その前に叔母を二人、叔父を一人、近くの羽川という地によびいれる

この辺りから察するに長男としての重圧との軋轢を思う

生憎俺も長男だけど親父のようにはなれない


古材屋は程なく土木基礎を施す吹上工業となり親父は息子三人に恵まれ、家を建て替え、毎年正月には吹上家が集まり四方山話

昔話や弟との確執や

子どもたちの悪ふざけやら


御年玉たくさんもらったなぁ


程なくして役者を志し

東京を夢みた俺は
結婚して子をもうけた


正月


一昨年親父は墓を珠洲から小山に移した


しょうがつ


生月




今日帰ってきて仏壇に頭を下げた俺は

なんとなく親父に頭を下げている

確かに

親父に

頭を

下げている

一抹の感謝と

多大なる覚悟の上に

ありがとうございます


あけまして

おめでとうございます


今年の盆には

お袋の生家と

大分参っていない赤荻家の墓を

まいろう


同じように
頭をさげて


在りし日の故郷の風と西陽をうけながら

客間からの

笑い声とともに



祖父が残したボルサリーノを無くした若き日の俺への悔恨を感じつつ


たぁだいま。